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rondokreantoの設計趣旨

安田滋(建築家)・安田渓(京大建築学博士課程)

梅棹サロンは、「創り手」が集まる場所であったと同時に、「創ること」が集まる場所であったといえるでしょう。rondokreantoの改装は、梅棹忠夫の貼った床や吉村元男による中庭などの過去のクリエイションの痕跡を単に保存するのではなく、また消して更新するものでもありません。梅棹マヤオの友人の安田滋の息子渓が50m先の銀月アパートメントに越してきたのをきっかけに、梅棹忠夫と恊働していた立花工務店の立花康一の次代・立花正則をはじめ、さまざまな人々にデザイン・施工を依頼しています。それは過去の署名・痕跡を読み取りながら新しい線を重ねて、またそれを未来への痕跡として残すような、継承と改変の作業となりました。

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少なくとも築80年が経っているこの家は、構造や温熱環境も不安要素が多く、また増改築が繰り返され複雑になった屋根はいたるところから雨漏りが起きていました。そこで、まず第一の設計目標は耐震化・断熱化をしっかり行うこととして、その方法として①単純な屋根の形、②重い瓦を下ろす、③構造補強、④断熱材で覆う、の4点を採用するオーソドックスな方針を立てました。その方針のもとでファサードをシンプルに面で構成して、人間のスケール感がでる窓や扉などの記号が見えないようにします。そうするとギャラリーの性格を表現すると同時に、北白川の景観に馴染みながら、大きな看板を立てずとも覗いてみたくなる外観となりました。 格子は窓、扉、壁、通り庭、室外機がならぶ軒下を統一してシンプルな面をつくっています。このギャラリーは正面中央と西側通り庭の2箇所の出入り口がありますが、格子扉が開いていることが店のオープンを示す合図となっています。夜はぼんやり光る照明です。また見え隠れを計算して格子の間隔を変化させています。格子の下には屋根から下ろした瓦を並べて基壇を作っています。